2024/10/27 横浜マラソン完走しました。実は前々週くらいから胃腸炎ぽいものになっており、下痢等は止まっていたものの著しくコンディションが悪い状態での出走となりました。最高気温24度という条件のなか、28000人のランナーの中で、腹にカイロを貼って出走したのは私くらいなもんでしょう。DNSも考えたけど、高速に乗る前にリタイアしてしまえば電車でも家まで帰れるから、出走はしてしまおうということで。
①スタート関門からの大逃げ
スタートはFブロック(A~H、Jの9個中6個目のブロック)と、北海道マラソン5時間53分男にしては少し買われたような評価。10kmタイムで申請すると5.5倍で換算されるらしい。最後尾ブロックからだと8:30号砲でも9時を過ぎたスタートになってしまうという噂に怯えていたが、8時44分ころにスタートラインを超えた。この時点で関門より26分ほどリードしたということである。
みなとみらい7km(笑)との戦い
この序盤戦は10kmくらいまで道が何度も細くなって渋滞する。そこで邪魔になるのが、7kmクラスに出ているので余裕がある故、無茶な走行をする連中だ。ハッキリ言って存在が邪魔だ。ゼッケンのアルファベットはフルマラソンと分かれておらず、同一の集団に目標ペースが異なる選手が混ざるということになる。ゲストランナーの1日2日三津家もこれに惑わされて、あろうことか7km先頭集団について行ってしまったらしい。
7kmを消滅させるか、9:10以降スタートに変えるべきだろう。横須賀シーサイドマラソンですらやっていることだ。
私はゼッケンナンバーの背景色が水色だと7kmというのは把握していたため騙されずにペースを守ることができた。ここら辺は関門から貯金を作るにはキロ7分ペースが必要な区間で、だいたいキロ6分45秒前後で進行することができた。
この序盤5kmに給水がないのも何気に鬼畜ではないか?
②思わぬ快晴
約5kmの地点で7km組とはおさらば。ようやく渋滞も解消したところで、急な快晴が襲った。そんな予定はなかったのだが・・・北海道マラソン序盤くらいは暑い。でも、予定では10kmまでは絶対に逃げ続けなければ。
エイド無視作戦
5kmちょいの象の鼻パーク付近、6.2km関門、8kmちょいの本牧橋降りたあたりのエイド・給水は完全に無視して貯金づくりに専念。持ち込んだ500mlのアクエリアスで好きな時に飲んだ方が何かと良いだろうという判断だった。これは結果的にまあまあ良かったと思う。10km手前にある第4給水で初めてアクエリアスを取る。手元のアクエリアスは、道中で欲したとき用に回す。腹痛的にはギャンブルだが、バナナも摂ってみる。欲した味だが、やはり食った2分後くらいから痛みが・・・これは腸ではなく胃の問題なのか。以後は基本的に食物はスルー。
狂ったGPS
9kmちょいあたりから首都高の真下を走らされるのだが、日陰で助かる一方、GPSが全然キャッチできなくなり、たまに「10:30/kmペース」とか表示されて驚かされる。だがうろたえてはいけない・・・こんなにちゃんと走っているのだから7分ペースより遅いわけがないんだ。実際、10.4kmの関門では29分ほどの差に伸ばしていた。いけてるはずだ・・・
③記憶がないゾーン
門間でいったん高架下が終わるのでGPSがキャッチアップされ、ここまでのペースが修正され、余裕があるのかないのか判明し、自分のペースにフィードバックした・・・はずなんだが、南部市場で折り返すまでの記憶がほぼ全くない。無理が祟っているのか、透き通った世界に行っていたのかわからない。
データ上はストップも加速もないワンペースで進んでいる。腹が痛い選手とは思えない見事なワンペースだ。痛みに耐えた代償で記憶が消えたのか・・・
④約束された徒歩
ここは予定通り歩く。車でもスピードが落ちる急勾配なので、人間が走っていい道理がない。この数百mを走っても大勢に影響はないのに、走ってしまったせいで以後1時間削られるダメージを負う可能性がある。実際、登り切った先にはストレッチ集団ができていた。ここはやっちゃいけないゾーンだよ。
⑤まっすぐ帰らせてくれ
高速道路を人間が走るばかりか、いきなり逆走させられる。やっちゃいけないことを2個いきなりやらされる。精神がおかしくなり始める。おまけに私は高所恐怖症なんだ。高いところを走らせるのはやめてほしい。あと、高速入り口前の給水から高速最初の給水まで2km以上あり、恐らく初期5キロを除くとここが一番長い給水インターバルなので大変だった。早く帰りたい。ペースは落ちたものの7分前半は出せている。
⑥ハイウェイ・スター
バンク・強風・日光の3拍子揃った鬼畜コースと名高かったが、強風と日光は運よく存在しなく、バンクは体質に合うのか全く悪影響がなかった。さすがに前半ほどのスピードは出なかったが、給水前後での減速はあるにせよ概ね7分半ペースを保っており、依然として関門ごとに余裕は広がっていっている。
目標であった27.3km地点(12時46分)に12時という目標は・・・惜しくも4分足らなかった。しかし、27.3kmで42分もの余裕があるというのは、29.8km通過時の貯金が12分半だった北海道マラソンから見れば大きな成長だ。
第2目標であった31.9km地点(13時26分)に13時という目標は・・・12時39分!大幅に余裕をもってクリア!ここからは平均キロ11分でいけばゴールできる(といってもだんだん落とすようにしないと手前に引っかかるが)という、心理的安全を確保した。
首都高はゾンビに満ちていたが自分はまだ「走っている」と言える状態にある。たまに出るポニテの若い女性ランナーのケツ追っかけ走法(最終的に「抜いてしまう」が)が発揮されることもあって、5時間半のペーサーを追い越すことができた(そもそもいつ抜かれたのか?)のを確認し、いよいよ勝利を確信したくもなるが、まだ笑ってはいけない。
⑦下り最速の男
高速道路を(またしても逆走で)降りるこの区間は、1.5kmにわたって下り坂が続き、本大会中最も長くて大きい下り坂だ。それを生かし、重力に身を任せて転がり落ちていく。さすがに疲労でキロ8分を超えていたところだったが、ここだけ7分10秒くらいの速度で降りていけた。あとは慣性の続く限り本牧ふ頭を滑っていく・・・
⑧戻った歓声
首都高の辛いところは沿道応援が一切存在しないところだ。本牧橋を渡り切ったころにはさすがに走れる状態じゃなくなっていたものの、チラホラと応援の声が復活し、「あの信号までは走ろう」「あの標識までは」と、途切れ途切れながらも走ることができる。走力がついたことは間違いないが、最後まで無観客だったら見栄を張ることもなくずっと歩いていただろう。山下公園以降はマラソン無関係の観光客にも雄姿を見せるべく、キロ7分半とキロ9分半を100mずつインターバルするように進んでいく。
⑨winding road
赤レンガ倉庫を過ぎて、いよいよ花道ができていい感じ。40km走ってきたものにしか理解できない、声を上げようが突っ立っていようが、人垣ができているだけで感謝の気持ちがわく現象だ。まっすぐゴール地点に向かえば距離不足なので曲がりくねった道になっているんだが、横浜マラソンがランナーとの別れを惜しんでいるかのようで、これもまた、良い。
女神橋を渡ったところで、ゴール前に家族が着いていないことが分かった。42kmの看板の前で止まって待っていたが、記録優先せよ(気にせずゴールせよ)ということで、ここから界隈最速のダッシュを決める。195mを35秒くらいで走ったと思うので、ここだけキロ3分を切る超ハイペースだ。終わりよければ全てがいいんだ。
ネットタイム5時間25分05秒、北海道マラソンから28分も成長した。関門とは無縁の大逃走となった。
考察
全く足がつらず、30キロの壁という奴が存在しなかった。何故かというと胃腸炎ぽいもののため0キロの壁があったからだ。0キロに壁を発生させることで30kmの壁発生イベントを回避したバグ技だ。良い子はまねをしないように。
北海道マラソンがロング走として効果を発揮した可能性もある。
12時~14時ころの小雨も助かった。レースコンディションはランナーに優しめだったと思う。
高速道路以外は全部走ったことがある道だったというのも大きい。スタートとゴールが自宅に近くて良い。