Z6は13万で売った。Zfを22万5000円で買った。
クラシックなスタイル
何と言っても、クラシックなデザインが目を引く。フィルムカメラのFM2をオマージュしたらしく、シャッターボタンと各ダイヤルは真鍮製で、ダイヤル全般のクリック感が強めになっている。
ペンタ部(ペンタプリズムないけど)のNikonロゴは旧フォントだ。
諸事情により詳しいのだが、Nikonは高級感と言えば革を張りたくなる会社らしい。高級感があるのかは正直定かではないが、デザイン的に柔和になっていて、クラシックと言えば昭和のゴツゴツのメカになっちゃうのか、というのをうまく抑え込んでいる気がする。
気になる点は2つ。
まずグリップがほぼ失せ、ファインダーで撮るときのホールド感が非常に弱い。これはNikonも把握しているというか、確信犯的なのかもしれない。
公式商品すら出てしまっている。怪しいサードパーティなら最安4000円から存在する。
もう1つは、今のNikonの非Sラインのレンズとデザインが全然合ってないところだ。ヘリテージデザインを採用しているSpecial Editionを買えということなのかもしれないが、28mmと40mmしかないのでは少々困る。24-70のズームとかが欲しいところだ。また、このSpecial Editionも現物はかなりプラスチッキーで、何かこれも違うかな、という感じもしてしまう。ぜひS-Lineで、標準ズームのSpecial Editionを出してもらいたいところだ。
AF
Z6について「試作品を掴ませやがって」と思った原因の1つが、AFの合わなさ(他にXQDカードオンリー1枚仕様とか、電池の凄まじい減りとか)。Z9と同じ画像処理エンジンEXPEED7を採用しているZfは、Z6に対するAFの改善に大いに期待していた。
結論は素晴らしいの一言だ。体感では、Z6では3割合うかどうかだった条件で、7割AFが合っている。
さらに驚きだったのが瞳AFと3Dトラッキング能力だ。どちらもZ6には搭載されている(Z6の3Dトラッキングは正確にはオートエリアAFの拡張でしかない)が、典型的なレベル1の機能であったようだ。
まず瞳AFであるが、そもそもZ6では初期版で搭載されておらず、ファームアップで対応された。開発が間に合わなかったのだろう。マーケティングがパワポで好きなように引いた線を、開発者ができるわけがないと言い続けるも、最終的に発売日が動くことは無かった・・・というのが想像できる。それはさておき、Z6の瞳AFはまず瞳AFになってくれない(「顔」のまま)し、瞳AFになったからイケてるんだろうと思ってできた写真見ると全く合ってない(鼻とか頬とかに合ってる)ことが山ほどあった。瞳に合わせてるふりをする機能なんだと認識していた。これがZfではちゃんと瞳AFになっているのである。瞳にマークが入り、それを信じて撮影すると、瞳孔の中心とは言わないが、少なくとも目のどこかにAFが合っている。それだけで大きな進化だ。要するにZ6は試作品だったのだ。
そして3Dトラッキングだ。最の高である。被写体が生物である限り静止はしてくれないのだが、思っていた通りに追従してくれて、人間1人であれば概ね間違うことがない。サッカーでドリブラーが2人かわすところなどはどうかな?と思うので試してみたいところだが、サッカーに行く気が起きていないことが問題だ。
充電問題
価格.com - 『充電できません。。』 ニコン Z f ボディ のクチコミ掲示板
元々Zfには、純正type-Cケーブルしかついてこないから、この通りクソクソに荒れているという事前情報はあった。
まあ、10年前のコンセント→USB-A変換→A to Cとかやってるおじいちゃんなんでしょ…だいたいこの手の充電機は2年で買い替えてる俺には関係ない話…と思ったら見事に充電できなかった。試したのは以下の通りだ。
- 付属ケーブル+パソコン NG
- 付属ケーブル+C to A変換+20WのPD急速充電に対応したコンセントのやつ NG
- Nikon Z6付属のUSB typeC-Aケーブル+20WのPD急速充電に対応したコンセントのやつ NG
- 付属ケーブル+妻のiPad充電するやつ OK
なんで?少なくとも3はできろよ・・・
と思って妻のiPad充電するやつを確認した。PD対応なので、どうやらサード製で充電するにはPDは必須のようだ。また、20Wより上の消費電力が必要な可能性もある。そこで、これがダメなら毎回妻から借りようという覚悟で最後にこれを試してみることに。
このELECOMのPD対応65W+充電器の付属ケーブル:NG
しかし
ELECOMのPD対応65W+Zf付属type-Cケーブル:OK!
ようやく充電方法を確立できた。
- コンセント側:PD対応で結構高い消費電力のやつ
- ケーブル:Zf付属ケーブルか、同仕様のもの(でも仕様不開示)
Nikon純正で用意するなら本体充電アダプターが5500円なので、何とか黒字という感じだ。
まとめ
デザインはクラシックでキャッチーでレトロでユニークであるが、とにかく持ちづらい。そしてレンズを選ぶ。
AFは素晴らしい。最上位機種Z9に匹敵する、というか同じAFを積んでいるのかもしれない。
確実な充電手段は製品パッケージだけでは用意されていない。以下これが嫌なら他社製のケーブル+USB充電器で運を天に任せる。
- EN-EL15系の充電器が付属しているZ6などから、充電器だけ使いまわす。
- 付属のUSBケーブル+NikonのACアダプターEH-8P(別売)の組み合わせで充電する。
- Nikonの本体接続充電ACアダプターEH-7P(別売)で充電する。