新しいダイアリー(5)

北海道コンサドーレ札幌と釣り

北海道コンサドーレ札幌2020シーズンまとめ

2018年の4位で他チームのマークを受けるようになったため、2019年は札幌対策ともとれるような戦術を採用してくるチームが増えることを予想していた。選手の入れ替わりがないことによる積み上げ分を考えても、勝ち点45~55のレンジに収まるであろうという予想をしていたが、実際には39に終わった。降格なしのレギュレーションを生かして実験的な試みをし、そして失敗したというチームは清水くらいしか見当たらないので、普通のシーズンであっても13位程度で残留していたと思われるが、2017年以降最も低い勝ち点になったことは残念でならない。

試合間隔と勝ち点の関係

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「勝ち点の3試合移動平均」と、「試合間隔の5試合移動平均」が、とても似たような形になっている。試合間隔の5試合移動平均には、当然第1節~第2節の間の139日が含まれているため、再開後だけの移動平均になった第7節(VS横浜3-1@札幌ドーム)以降のデータに限定して見ると、相関係数0.53あるので、やや相関あり~相関ありと言えるだろう。つまり、試合間隔が短いほど苦しみ、試合間隔が長いほど勝ち点を積み上げたシーズン、ということが言える。仙台・湘南といった平易な相手や、ダブルした鹿島が体力的に余裕があった序盤や、日程的に楽になった10月に組まれていたのに対して、川崎(1勝したが)・横浜(1勝したが)・東京・C大阪といったところが日程的に厳しい所に入った影響もあるため、ただでさえ手ごわい相手が準備不足の状態で当たってしまったことも影響しているかもしれない。ともかく、札幌は強行日程に苦しんだ。

ただ、鈴木武蔵の移籍以降、久しぶりの連勝を飾る10月半ばまで、約2か月・14試合をほぼ18人固定して戦っていたのは、コンディショニング面で厳しすぎやしなかっただろうか?負傷していた石川はしょうがないにしろ、早坂・中野・藤村・檀崎・濱をほぼ出場させず、レギュラーメンバーは9月中旬以降前半から集中力を欠いたプレーが連発されるようになってしまった。結果度外視で「実験」を行うにしろ、マスコミやサポーターに宿題を出すにしろ、好きにして構わないから、こちらとしてはもっと色々なメンバーで変化を楽しむことくらいはしたかった。

過剰にスペクタクルな戦術

川崎に勝とうが鹿島に勝とうが、高いラインの裏に出された瞬間大ピンチになるDFラインのスピードの不足や、準備的なポジションを取らずに常に「追走」から始まってしまうネガティブトランジションが試合中に何度も発生し、「また安い失点をしてしまったが」「我々は勉強代を払っている段階だが」と判を押したかのようなコメントを繰り返しているので、この試行は失敗と言わざるを得ないと思う。常に危機に晒されたが故の守備意識、粘り強さが一部の選手(金子とか)に身についたが、払った代償に対して得たものがあまりに小さいと思う。ただし、降格のないシーズンを生かして普段絶対にできないことをやったこと自体はいいと思う。あまりに続け過ぎなだけで。

一部若手の重用

ルヴァン第1節・リーグ第1節ともに出場なしながらも、全選手の中で最も長時間出場した田中(2706分)をはじめ、高嶺(1895分)、金子(1704分)のルーキー3選手にかなりのチャンスを与えた。これによって、進藤、キム・ミンテ、中野嘉らが割を食う形となった。ポジションは本来与えられるものではなく奪うものであるが、シーズン後半以降は特に、このルーキー3人は欠かせない戦力となり、中盤以降の持ち直しに多大な貢献をした。

一方で、檀崎はわずか3試合60分、濱、藤村はカップ戦も含めて一切出場がなかった。彼らには何故「与えられなかった」のだろうか?

まとめ

  • 超過密日程のシーズンに
  • 体力的に不利な戦術で
  • 経験不足のメンバーに下駄をはかせて重用し
  • ターンオーバーに消極的(というか、頭数不足でできない)

とあっては、12位に低迷するのもやむなしといったところだ。補強も全く期待できない(社長が随所で予防線を張っている)ので、来期も1桁順位を得るのは相当厳しいと言わざるを得ないだろう。今年のように無理目な戦術に拘泥している間に、残留ラインまで遠くなっている、ということがなければ良いのだが。