先日、元コンサドーレ札幌で現日本代表の西大伍選手、いや師匠と釣りに行ってきました。ご存知の通り、曽田さんがcampfireで募ったクラウドファンディングのリターンです。
Campfireでパトロンとなるまで
camp-fire.jp
曽田さんのコメントを引用
「今年9月、私の故郷である北海道が大きな地震により被災しました。そこで2011年の東日本大震災時に立ち上げた支援団体「EN project japan」での経験を活かし、まずは一番被害の大きかった厚真町(あつまちょう)の子ども達への支援をしたいと考えています。幸い私には困難を乗り越えてきたアスリートの仲間がたくさんいます。今回はそんな彼らに「モノ」と「コト」を提供してもらい、このページをご覧の皆さんと一緒に復興支援活動を進めていきたいと思っております。ご支援、ご協力のほどよろしくお願い致します。」
ぜひ協力させてください。すでにふるさと納税で札幌市および厚真町*1に寄付はしていましたが、より一層力になるチャンスです。
ページをスクロールしていくと、ある文字列を発見しました。
「西大伍 (Jリーグ/鹿島アントラーズ)釣りツアー 」
普通に生きていたら、元コンサドーレ札幌で現日本代表クラス*2の選手と釣りをするのは、一生できない経験です。結構0の多い必要額が目に入りましたが、「その額を全て西選手個人に払う形で一緒に釣りをしてもらう」というのでもまあまあ安く感じるのに、まずその額は寄付*3できて、お礼で釣りができるというのは、私にはこう感じたのです。
北海道の力になれるうえに、西大伍とタダで釣りができる
日程決定まで
札幌がめでたく4位躍進、鹿島がめでたくACL優勝を決めた中、リターンの実現に強い懸念が発生してしまいました。西選手が神戸に移籍を決断したのです。
まず、私ももう1人*4も、西選手が2019年も鹿島に在籍することを前提にパトロンに応募したはずだからです。私は既に西選手が退団して久しい札幌のサポーターなので、心情的に大した動揺はありませんでしたが、もしもう1人が鹿島サポーターだったら、まさか自分の応援するチームから移籍したてホヤホヤの選手と釣りができるかという点。まあ、これは気にしてもしゃーないか。多額の寄付をする人にそんなことを気にする人はいなそうだ。
もう1つの懸念点は、西選手の本拠が物理的に遠くなってしまったという点。リターンを受けるには、釣りのポイント(釣具店「釣具のポイント」ではない)まで、自力で移動するのが条件。神戸周辺のどこで釣りをするかはわかりませんが、旅行になってしまうのは厳しいです。
そんなことを考えていたら、A-solutionから連絡が来ました。確か移籍発表の翌日だった気がします。「チームのスケジュールはこれから確認するところだから、連絡待っててください」とのこと。A-solutionの方(以下、Aの人)も、A-solutionの向こう側にいる西選手もとてもマメな方であると思いました。ここは言われた通り待ちましょう。後日、Aの人からイベントの無事開催の報告が来ました。(なお、北海道新聞ではまるで日本ハム鶴岡と田中が主催したかのように書かれた。)あとは、西選手と釣りをするだけです。
ある程度開催までは時間がありそうなので、道具を揃えて練習しようと思い、タトゥーラSV TWを購入しました。バスでベイトリールの左巻きは珍しいはずなので、道具を用意してもらえたとしても右巻きしかなかったときなど意味があるはずです。
しかし、2月に相模川方面で練習したものの、キャストの練習にしかなりませんでした。ご愛嬌であります。
日程決定
西選手が無事に神戸でもレギュラーを得たり、日本代表に選出されたり、移籍後初バスを釣り上げるなどしていたある日、4月某日の神戸のオフでどう?と連絡がありました。サッカー選手のオフが一般的には平日であることはもちろん知っていたため、有給休暇はカンストして消え去るほど残してあるので日程的に問題はありません。しかもポイントは関東で、時間は私に合わせてくれるという優しさでした。西選手のバス釣りガチ度合を考えたら、絶対に「水の中に糸を垂らすことで満足」はしないはずです。時間はいつでもよい、早朝歓迎と伝えました。
その後、西選手自らポイント選定を行い、集合場所と時間が決定。大まかに霞ヶ浦です。タックルは貸してくれるそうです。足りない分はありがたく借りることにします。
事前情報では「※ 実施時には、記録用写真の撮影等のためスタッフが同行させていただきます。」とのことだったのですが、当日はAの人は無しで、西選手と○○さん(どうやら船を出してくれるらしい、以下お友達と表記)と3人水入らず?で釣りに集中できそうです。Aの人はもう1人のパトロンの時に記録するんですかね。
前日
クラブパートナーでした。すみません。
ご愛嬌であります。
当日
横羽線→羽田線→湾岸線→東関東道で早朝に霞ケ浦に到着。1h45mくらい。感覚的には横浜から沼津に行くのと同じくらいです。横浜から伊豆よりは早い到着です。
集合場所に近づいたころ、バックミラーを見たところ、明らかに後ろの車の運転席に西選手がいました。しかも私の左折について来ませんでしたけどこれは一体…?カーナビが農道っぽいところを指定してきただけでした。多少モタモタして集合場所に着きます。やっぱ先に着いてた。申し訳ない。
ここが集合場所です。今日はお友達のアルミボートに乗ります。海の遊漁船はいくらでも乗ったことはありますけど、この手の床が平らなボートは初。まあまあの筋力を持ちながらボディバランスが酷く偏っているのが不安ですね。ライフジャケットは必ず着用しましょう。
タックル
スピニング
ロッド:ショアガントゥイッチャー69UL
リール:ナスキーC2000HGS+PE0.6号+8ポンドリーダー
ワーム:カスミデザインのピンコストレート4.8インチ、ケイテックのスイミングインパクト、3インチくらいのシャッド*5
ベイト
ロッド:バンタム*6
リール:タトゥーラSV TW+10ポンドライン
ルアー:スピナーベイト*7、クランクベイト3種*8
釣況
今日は本湖ではなく流入河川を攻めるようです。バスボートというのは本当に気持ちいいですね。海の遊漁船と違ってうねりがないからか、上下動ほぼなしに低い目線で水面を移動していきます。到着までは私が札幌サポーターということで、色々と札幌の話*9もしました*10。これでも同学年ですからね*11。西選手は釣りグループ内(遠藤康選手とか)では「隊長」と呼ばれているらしいです。
第一ポイントでは早速セコい釣りをしようと思い、自前スピニングタックルにカスミデザインのピンコストレート+ネイルシンカー1.8gのネコリグでいきました。西選手によると1.8は重いようなので、今度0.9と1.2を買っておきましょう。確かに4インチ以上のワームは自重で数グラムクラスなので、ライトタックルではオーバー気味でした。
一方、西選手はベイトタックルにクランクベイトでスタート、広く手返しよく探るということでしょうか。キャスト時にデジタルブレーキの音が聞こえます。ガチ度が違う感じがしますね。ベイトリールにはスプールの回転よりルアーの飛行速度が遅くなると、手前で糸がワチャっとなるバックラッシュという現象があります。それを防ぐためにかつては指だけでブレーキをかける必要があったのですが、遠心ブレーキやマグネットブレーキという固定値の係数でブレーキがかかる機能が今は主流です。しかし西選手のリールにはスプールの回転速度に応じてフレキシブルにブレーキの係数が変わる最先端の機能が搭載されているということです。
このポイントで流しつつ船や立ち杭などのストラクチャーを撃っていくと、先に私にアタリがありました。ここでメバルを彷彿とさせる電撃アワセをしたところスカ。西選手による「巻き続けて本アタリを待て」という指導が入りました。ワームの端に口が当たっているだけなんですね。
スピニングのキャストが珍しくまあまあ決まっていたところ、西選手に褒められました。プロスポーツ選手に運動で褒められるのは何にも替えがたい喜びを感じます。
調子に乗ってダウンショットでアシを撃ったところ根掛かりして糸が切れたところから、いよいよ西選手のバンタムを借りてベイトタックルにチャレンジです。
ボートはポイントに寄れるからとても良い。オーバーヘッドで投げれないのでアンダーハンドだけで済むのはとてもありがたいです。
霞ヶ浦広しと言えども釣れるポイントは限られるようで、どんどん転戦していきます。
西選手やお友達(主にトップウォーター攻め)はアタリをちょくちょく出すものの、私は一向にヒットがありません。最初のアタリをちゃんと掛けておかなければならなかった、という展開です。
正直言って現代のバス釣りは難しいです。考えられるのは、ブーム時に大挙して押し寄せた釣り人のせいで過度にプレッシャーがかかった魚が残した子孫にスレが遺伝していることです。リリースされた魚(1度釣られた魚)がもう1度ルアーに口を使うにはどれだけ時がかかるのかという単純な問題もあります。産卵で体力消耗した魚が、自分の届かない範囲の餌に反応しないというのもあります。何より、腕がまだ足りないのです。
釣れないと時間が早く過ぎていきます。
楽しい時間は早く過ぎていきます。
正午に差し掛かって、もう最後というポイントで、だいぶキャスティングも決まるようになっていましたが、ついにタイムアップです。非常に残念。今日は難しい日でした。移動中に岸で1匹釣れているのを見ただけです。まだまだ腕が足りない。練習しないと。
遅めのランチで鰻をいただきました。数年ぶりに食べる鰻はとてもおいしかったです。普段土用の丑の日は、資源保護のためタチウオで代用しているので、鰻の皮の旨味がとても強く感じました。また、鰻の旬は夏ではないので(春でもないけど)、わざわざ夏に一局集中して消費すべきではないことを主張しておきます。
札幌の試合がやってないときに西選手目的で神戸(前年は鹿島のACL)を見ていると言ったら喜んでいたのでとても嬉しくなりました。「何かTVで見ていてアドバイスとかありますか?」と言われたので、舞い上がりついでに「鹿島の時には上がったタイミングでボールが出ていたのに神戸では出てこない」と正直に申し上げました。札幌の試合の前に神戸の選手を強化してしまったとしたら申し訳ありません。
札幌について少し
2008年に札幌がJ1でほぼ勝てずに降格したことがとても悔しかったそうです。2017年に久々にJ1残留を決めた我々が、昨年ドサクサ紛れに4位と躍進したことで、「札幌に対して準備してくるチームが登場してきた。準備されるとほぼ勝てなくなっていてキツい」と吐露したところ、「ここからなんだよ」という静かで優しく強い言葉を頂きました。いいですか札幌の皆さん。ここからなんだよ。
tabelog.com
また釣り場での再会を誓って解散しました。西選手はこれから神戸へ*12、私は娘の保育園のお迎えに間に合うべく帰宅します。これからも互いに互いの過酷な人生が待っていると思います*13が、またどこかの水辺で会いましょう。
累積
いやカテゴリー「釣り」だからこれは書くよ?
キンメダイ3
サバ1
シロムツ5
トウジン1
ユメカサゴ2