とにかく良かった。未視聴でこんな感想読みに来る暇あったら今すぐ見に行ったほうがいい。
まず、映画の表現技法として凄すぎる。
そして、たたむことが不可能と思われた風呂敷をたたみきっただけで感涙ものだ。
テレビ版のラスト2話なんて意味不明じゃん。
レイは人造だったし、アスカは廃人になったところによくわかんないホモが出てきて死んで、おめでとうって何だよ?
旧劇場版なんて、アスカが奇跡的復帰を遂げるものの、量産型に囲まれて食われてついでにシコられて、全員LCLになってアスカだけ形を取り戻すものの、これどうすんだよマジで…じゃん?
それらの物語は要するに尻切れトンボ、やり残しだろ。
新劇場版は、過去に描けなかった全ての救済措置、未熟者たちの精神的な成長、人類の営み(生殖的な意味も含む)を全て拾い上げ、エヴァンゲリオンを物理的にも片付け切ったじゃん。
それだけで凄いことだよ。
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ところで俺は過去に破の感想を書いたときにも記したが、自他共に認めるアスカ派である。
ここ2日、他のアスカ派(主に、新劇場版の感想としては珍しく荒れてる方)の感想を読み、LASという言葉を初めて知った。
そこで気づいたことがある。今までLASだと思っていた俺は、どこにもいなかった。
俺は単にアスカを救う人が現れてほしかっただけだったのだ。
母の愛を知らぬかわいそうな子、世界屈指の負けヒロインとして、俺の思慕を集め続けていた。
廃人になろうが、LCLから戻ろうが、悲惨な運命を辿ることには変わらなかったアスカ。
俺が小学生になった頃に、姉のような存在として現れたアスカが、旧劇場版でひどい目に会い、破で年下になったアスカはまたしても退場したかと思えば、Qで精神年齢はまた俺の上になり、それこそ旧劇場版のアスカのように俺を混乱させた。
何とかアスカが平穏無事に物語のレールを走り切ることはできないのか?
その思いは意外な形ではあったが報われた。加持よりもシンジよりもいい男がいたではないか。居てもいい場所ができているではないか。14歳の自分の脆さに向き合い、決別できたではないか。
そして、現実に2人の娘を持つようになった俺は、アスカに気付かされたのだ。
これまで俺は、アスカにまだ見ぬ娘の姿を追っていたのだ。
悲惨な運命を迎えることなく、ただ最終回を笑って迎え、幸せに余生を送ったであろう示唆で見送りたかったんだ。
俺は自分の最終回つまり死に際に、娘がまず健在で、悲惨でなく、自分の死後も賑やかに人に囲まれながら過ごしてほしいんだ。アスカを見る目はまさにこれだった。
母の愛を知らないどころか、母そのものがいなかったことが示唆された式波アスカ。
背負った脆さは、テレビ版、旧劇場版の比ではなかった。しかも、トウジのかわりに使徒に侵食されたエヴァに乗り初号機に食われるという、厳しすぎる役回りをこなすことにもなる。Qではヒスの極みのようなキャラとして再登場し、旧劇場版ラストの悲運を示唆するような眼帯までつけられて。
それでもなお、「アスカはそれでいい」と認めてくれる男に出会い、エヴァンゲリオンの抹消に巻き込まれることなく、無事に第3村に帰ってこれたことは、これ以上ない満点の出来だ。
そりゃまあ、裸を見せ慣れてる男がいると知ったときには、ちょっと驚いたけどな。
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父と言えば碇ゲンドウだ。
もしも願い一つだけ叶うなら君のそばで眠らせて、というのは、父になれず、先立たれた妻にもう一度会いたいというゲンドウを示す歌詞だったんだね。
もし今の私を見れたならどう思うでしょうあなたなしで生きている私の姿を、という歌詞もだね。
ゲンドウに感情移入できる日が来たのか!俺に!
親子喧嘩!したいねえ!
でも妻は失いたくない!
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キャラ別感想
シンジ 7.5
失語症に陥った姿はテレビ版や旧劇場版そのものだったが、ついに「守ってくれる誰か」「愛してくれる誰か」ではなく、そこら中にありふれた人々の優しさ、強さによって前を向くことを思い出し、ついに父との本音での対話に至った。成長に泣いた。
アスカ 8.0
10本以上あった死亡フラグを折り続け、旧劇場版等にあった悲劇的な幕切れを避け、ついに現実世界に生還を果たした。使徒や量産型の撃墜数は作中1だろう。単に活躍したこと、そして生還したことに泣ける。ケンスケ、アスカを頼む。
使徒の力を宿した片目の存在が破以前のアスカ=Q以降のアスカを示唆している(しかもレイと違って本人が破を記憶しているので)と思うが、どうやって復帰したかは語られなかったため、何らかの方法で魂を引き継いだ2体目の式波モデルなのではと少し思うところもある。
レイ 6.5
まあレイではないのだが、人々と心を通わせて、情緒的になっていくレイは、存在を保てなくなってLCLに戻ってしまうことで皮肉にもシンジを成長させた。これだけで十分な切なさ成分だったのだが。最後に出てくるロングヘアーが、また良い。
マリ 7.5
エヴァ主要キャラの中で唯一と言っていい裏表のない、未来は明るいということを示唆し続けるキャラクター。新劇場版が幾度も破滅の道に進みかけたとき、強引に道を正して来たのは、思えばいつもマリだった。しかしまさかヒロイン的にも勝つとは。ところで何歳なんだろう?
ミサト 7.5
母になれなかった旧劇場版、それに対し明かされるリアル母になっちゃった新劇場版!その衝撃もさることながら、愛息に母らしいことはせず、加持大がやり残した大仕事を完遂してみせた。お母さん頑張ったよ、みたいなこと言ってたよな。最早全人類の母なのでは?浄化された人間たちが元の姿を取り戻していった流れで、加持大とともに生還できたのかな?できたと思っておく。
リツコ 7.0
もし!もしだよ?ミサトが槍になったまま人の形に戻れなかったとしたら!加持小を頼むわ
加持リョウジ大 7.0
ここでカヲル君がサード・インパクトを止めたのにどうしてQは最初からああなってるんだよ!という爆発的な疑問は加持さんが解決してくれた。カヲル君の手先だったんだな。とても合ってると思うわ。
ゲンドウ 7.5
ついに本音を言えたね!えらい!
妻を失うってこと、今考えたら本当に辛いわ。同情する。そりゃ全生物が同質の存在となって、神の叡智を超えることで、妻と再会を果たしたくなるわ。でもよく考えたら目の前にいる子供は半分妻じゃんね?良く考えたらわかることだよねそれは。まあでも良く向き合ったよ。下手すりゃ精神的に上に立たれたかも知れない自分の子供に向き合う自信ないわ。よくやったわ。
コウゾウ 6.5
清川元夢さん86歳ってすげえな!単にすげえ!
ゲンドウに補完計画を全うさせたかったのかな?それともこの結末を導きたかったのかな?
トウジ 6.5
絶対赤くなってどっかに落ちてるものだと思ってたわ。よく生きてたわ。しかもヒカリと結婚。エヴァ屈指のマトモな男とエヴァ屈指のマトモな女の結婚。全リリンが祝福した!
ケンスケ 7.0
絶対赤くなってどっかに落ちてるものだと思ってたわ。しかもアスカを娶っているとは思わなかったわ。恐れ入った。14年間で1番成長したキャラの一人だよね。ただのミリオタだったケンスケが、その知識をサバイバル方面に転用、14年で何があったか知らないけど精神的に最早加持さんじゃん。すげえわ。オールドアブガルシア(リールね)がシブかった。
ヒカリ 6.5
まあトウジと結婚するだろうと思ってたわ。その通りの姿を見せてくれてありがとう。ありふれた挨拶をおまじないに再定義してくれてありがとう。明日からおまじないとして使ってく。
加持リョウジ小 6.0
父も母もいない(もしかしたらラーゼフォンの調律的なアレで蘇るかもしれんけど)けど、頑張っていけよ。加持とミサトの子だもの、全リリンがお前の味方だよ
シゲル 6.0 マコト 6.0
今回も最後死ぬのかなと見せかけて、大聖母ミサトのはからいで無事に生還を遂げた。
マヤ 7.0
Let'snoteの強いやつみたいなのを駆使して部下をこき使いながら自らもコマンドラインで苦闘する姿、思わず今の自分を投影したわ。
サクラ 7.0
まず沢城みゆきな。すげえわ。やっぱ沢城みゆきすげえ。ミサトとゲンドウ絡みでは泣くだろうなと思って、まあ泣いたんだけど、サクラでも泣いたわ。
ミドリ 6.0
やや、物語から外され気味ではあったものの、あまりに理解不能な出来事を目の前にして出た「明日生きていくことだけ考えよ」は、観客の心を打っただろう。