新しいダイアリー(5)

北海道コンサドーレ札幌と釣り

新指標WARPMによる札幌の選手の評価 の失敗

この記事は北海道コンサドーレ札幌 Advent Calendar 2018の7日目の記事です。公開時点でまだ6日ですけどね。明日書き直せたら直すから。

とりあえず皆様、理念強化配分金獲得ならびにJ1在籍時の歴代最大勝ち点の更新(2年連続)おめでとうございます。サッポロビールで乾杯しましょう。私は医者に止められているので飲めません。

どんな手を使っても生き残ることが唯一にして最大の目標であった昨季と比較し、今季は無難に同じ手を使ってJ1定着を目指すのか、方針を転換しもっと上を目指すのか、後者を選んだのは分の悪い賭けと思われましたが、札幌は貯金を6も作ったり引き分けを取りこぼしと言い切ってみたりするなど、過去最高にイキっております。俺も会社でマリノスサポーターとかG大阪サポーターを見て心を温める日々です。

じゃあ去年と比べて駒井白井宮吉三好を足してジュリヘイスマセードを抜いただけみたいな感じだと思うんだけど、誰のおかげでこんなに強くなったんでしょうね。私気になります。

検証の動機

9月の鹿島戦で負けたころだったか、何となくそんな気がしていたのだが、フル出場を続けるク・ソンユンと進藤以外に荒野が勝利試合全部に出ていることに気づいたのであった。

そのままついに仙台戦で出場停止を受けるまで勝利試合全てに出場し続け、その後も勝利した試合(磐田戦しかねえけど)で必ずピッチに立っていた。

分かりやすい日本語で言うと「今季荒野が出場停止以外で出場しなかった試合はいずれも勝っていない」となる。

荒野が欠場していた1・2節は×△、ベンチを温めていた20-22節は×△△、欠場した27節は×。

じゃあフル出場のクソンユンと進藤に比べて荒野が勝利貢献度が高いのかというと・・・?

少なくとも札幌の勝利に最も貢献している選手は荒野だとは思えないな?

(個人の感想です)

どっちかというと荒野のどこが気に入ったのかよくわからないが、ペトロビッチが隙あらば荒野をやっているとしか思えないな・・・?

(個人の感想です)

じゃあ野球のWARみたいな指標で真の勝利貢献度を測定するしかないな・・・?

(個人の趣味です)

評価方法

セイバーっぽいことをやっている人はこの世に何人もいるし、フットボリスタのおかげでインターネット戦術君が増えた昨今、深く追おうと思えばいくらでもできる。

だが、それはしない。あくまで私は興行の客であり、全ては印象、何となくそのような感じがする、に収めておきたい。真の科学的検証は現場がやればよいのである。

そこでフットボールラボである。チャンスビルディングポイントなる数値を算出してくれている。これがまた「何となくそんな感じがする」についてとてもいい線をいっているのである。攻撃トップが家長。何かよくわからんことをやっている優勝チームで小技やりまくって経験値稼いでるだろお前。守備トップがマテイ・ヨニッチ。前線からのフィルタリングが雑魚で守備の仕事ほとんどやりながら残留争いと無縁すげえだろお前。すごく良い。そんな感じがしていたんだ俺も。

ところでWARとは

野球のWAR=打撃評価+走塁評価+守備評価+守備位置補正+代替え水準対比価値+投手評価

こちらである。それ以上でもそれ以下でもない。

打撃評価とは

同じ打席数をリーグの平均的な打者が打つ場合に比べてどれだけチームの得点を増やしたかを評価する指標である。

→攻撃のチャンスビルディングポイントがそれにあたると思われる。

走塁評価とは

「盗塁」「盗塁以外の走塁」の部分でどれだけ平均的な走者と比べて優秀か

→ボールをゴールに向かって進めたと考えると、パスとドリブルのチャンスビルディングポイントと思われるが、攻撃に既に含まれているため、丸ごと省略でよさそうな感じがする。

守備評価(UZR)とは

詳しくは

アルティメット・ゾーン・レーティング - Wikipedia

を見てくれ。

→守備のチャンスビルディングポイントでいいかな。

守備位置補正とは

野球のWARでは守備位置によって固定値で補正されるのだが、サッカーはGK以外守備位置が決まっていないし、ボールの飛びやすい方向は両チームの戦術と強弱によって毎試合変わるので無意味だと判断する。というか守備のチャンスビルディングポイント算出時に補正済みのようなものと思われる。

投手評価

野球では相手野手と勝負できるのが投手だけ。

→GKのセーブのチャンスビルディングポイントで代用できるんじゃない?

計算方法の決定

勝ち点って積分値だから、これも積分値でいいかなと思ったけど、札幌にはどうも出場時間は超短いがやたらと勝利貢献度が高い選手がいる気がしてならない。よって「その選手が90分出た時に期待できる結果の勝ち点」に近づくような風にしたい。勝ち点取得期待値なら昨季分でやったじゃんと言ってはいけない

①攻撃

攻撃CBP×90÷出場時間÷リーグ全体の90分平均攻撃CBP

リーグ全体の90分平均攻撃CBP=全チームの攻撃CBPの合計÷18÷34÷11

11で割っているが退場で人数が減った分は目をつぶった。途中交代については1人分(90分)を2人で分けているだけなので考慮は不要なはず。

②守備

守備CBP×90÷出場時間÷リーグ全体の90分平均守備CBP

リーグ全体の90分平均守備CBP=全チームの守備CBPの合計÷18÷34÷11

11で割っているのは攻撃と同様にめんどくさいから。

③セーブ

ソンユンはフル出場なので簡単。

ソンユンのセーブCBP÷リーグ全体の平均セーブCBP

ソンユン以外は0。

①・②・③の合計をWARっぽいもの、すなわちWARPMとして計算する。

評価結果

J1リーグ戦に出場した23人のみ評価する。まず23人だけでリーグ戦やりきったって凄いことだな。そのうち2人は夏に移籍していなくなってるし。

23位 内村 WARPM0.25

1試合17分しか出ていないうえに攻撃CBP0.07ではどうしようもない。守備CBPは0だし。昨年の夏か遅くともオフかに外に出してあげるのが本人のためだったとは思うけど、本人が記事になるほど札幌が好きなんだからしょうがない。

22位 ジュリーニョ WARPM1.08

もうここから1超え。ジュリーニョが数値を残している理由は単純明快で、5/2の鳥栖戦の途中出場2ゴールだけ。この試合は本当にジュリーニョの試合だった。内村同様に札幌で結果残すことにこだわらなければ・・・という残念さがある

21位 都倉 WARPM1.12

チーム得点王の都倉が20位以下っていう事実にこの新指標の使えなさが如実に表れている。シュートCBPは他の指標と違ってマイナスがあるため、FWはかなり低く出てしまうのである。2日くらいかけてこれを補正する手段はないか何とか検討したが駄目だった。すまん都倉。俺の中では掛け替えのない選手5選に入っているから許してくれ。

20位 宮吉 WARPM1.25

チャナティップの位置で出た柏戦のゴール&勝利が効いているよね。シュートセンスはマジで都倉より上だと思うよ。少なくとも右サイド起用はかわいそうだよ。

19位 ジェイ WARPM1.26

都倉との違いはパスCBPとシュートの決定率がちょっと上なことかな。なぜかゴールしても3勝3敗2分で都倉と違って全くのトントンだし。

18位 早坂 WARPM1.338

マリノス戦のサイドバック起用が足を引っ張ってこの順位になったけど、去年も今年もサブからスタートして最終的にはレギュラーになるっていうのが、あらゆる水準が高いってことだろう。

17位 稲本 WARPM1.340

守備CBPが1.0という美しい数字で、柏戦のあのインターセプトのことだって一発で分かる。稲本がいる間にサインもらいまくろうと思って、家にサインが3個もあるよ。

16位 菅 WARPM1.53

ほぼ絶対的な左サイドのレギュラーだったのに16位なのか。そこはやはり、ジェイと都倉が中央にいるのにクロスの質が・・・てことなんだろうな。すごいスピードでゴールポストをかすめていくシュートとかを見ると、サイドよりもシャドーで見てみたいんだけど。

15位 チャナティップ WARPM1.59

チーム内攻撃CBP2位がこの順位。WARPMの失敗を確定づけているな。まあ、去年と違ってスライドして守ることが減ったから守備CBPが減ったんだろう。実際に8ゴールという結果が出たんだからポジティブに捉えるべきだと思うよ

14位 兵藤 WARPM1.61

15試合580分しか出ないで14位だから兵藤という選手の質の高さがわかったと思いたい。というか俺は兵藤が好きで、兵藤残留記念焼き肉がしたいから…頼む、来年もいてくれ。兵藤が先発したH仙台戦すごく良かったじゃんね。

13位 三好 WARPM1.72

この辺だろうなと思ったらこの辺だった。ドリブルで稼いだCBPをシュートで吐き出す感じが今の三好なのだ。数億払う価値については、未来から来た人じゃないと何とも言えないわけで、苦渋の決断も頷けるというか頷くほかない。

12位 深井 WARPM1.80

攻撃CBPをほぼパスだけで稼いでいるというボランチであることを考えても異質な選手。小野よりも地蔵スタイル。守れる小野と考えていいのかもな。

11位 荒野 WARPM1.83

パス10位ドリブル10位守備10位でこの位置に来たか。とりあえず起用されたなりには仕事をしているわけだし、1試合で語るのもアレだが、磐田戦なんて田口とムサエフを子ども扱いだし、結構パルプンテがドラゴラムになってきたのではないか。もしくはスーパースターに転職してムーンサルトハッスルダンス連発してる。

10位 白井 WARPM1.86

90分使えば菅より結果出しそうだと常に思ってるんだけどやっぱりそうですか。やはり5歳くらい年上だとそういう扱いになるのかね。左右できると報道で言われて、どう見ても右専門だろと思って、蓋開けたらマジで両方できたのは良かった。

9位 ヘイス WARPM2.00

いかにWARPMが「90分できりゃあな」の数値であるかわかりやすいのがヘイスのこの位置。アスリートとして2流ならもう札幌に席はありません。新潟の練習場でダイエット頑張ってくださいね。

8位 ク・ソンユン WARPM2.04

GKセーブの補正がもっと効いていればよかったのに。セーブCBPリーグトップだからねソンユン。早く帰化アジアカップ優勝かしようね。

7位 小野 WARPM2.07

やはりね。投入タイミングが終盤しかない(敵が疲労してこちらのシュートチャンスになりやすい)という特殊さもあるけど、全てのプレーがゴールから逆算されているのが小野だからね。10分ならまだJ1上位水準でしょ。

6位 駒井 WARPM2.26

ドリブラーに見せかけたスーパーリンクマンであることが判明したね。ほぼ右サイで出ていたのにパスCBPが5位なんだよ。また、守備も5位ってことは駒井のインターセプトからかなりシュートが生まれている。ここは放しちゃいけない。契約上浦和がポカしてるっぽいけど、三好より優先されるのはまあ必然。駒井完全移籍加入記念焼き肉早くやりたいよ俺は。

5位 宮澤 WARPM2.51

2014年のポスターに「攻守のキーマン」って書いてあったけど今季ついに実現した感じ。俺が西大伍で見たかった姿を2年遅れの平行世界で見せてくれている。ほんとすこ。

4位 石川 WARPM2.72

守備のCBPが90分あたりでチームトップなのが効いてこの位置に。とにかく90分使われればな、と思う選手。菅を石川にすりゃACL圏内だったかもしれんのに、こうなったら菅が代表になるまで育つことで溜飲を下げるしかないじゃんか。

3位 進藤 WARPM2.75

納得の順位だね。守備CBP1位、クロス4位、ドリブル8位、パス4位。結果も出たし、菊地横山を押しのけたのはもうフロックではないだろう。とにかくオフはゆっくり休んでほしい。

2位 福森 WARPM3.10

勝ち点の期待値をイメージしたのに3を超えちゃったよ。攻撃CBP1位守備CBP3位、戦術ブログ界隈によると特定のパスコース通せるのは福森だけみたいだし、FK直接はついに決まらなかったけどいい位置がなかったことが響いただけだし。ともかく掛け替えがない。でも、ここにパワーストライカーを張られたり伊東純也を張られたりしたら試合が終わるんだよね。そこだけが困る。

1位 キム・ミンテ 3.24

えええええ何故!?2224分しか出ていないのに守備CBPが2位なのが効いているのか・・・確かに自分の前については札幌最強と言っていいレベルなので、4月の無敗期間などは中央迎撃で潰してカウンター連発のネオ四方田サッカーが決まっていた。でも退場からおかしくなって結局確変が終了・・・という感じ。DF中央というGKの次にプレッシャーが薄そうなポジションにあってパスのCBPも大したことないんだけど・・・とにかく「使われていた間は絶好調だった」としか言いようがない。

結論

この指標はダメだ。特に90分間に換算する方法が単純すぎたのと、センターFWに厳しすぎるんだ。来年同じ時間にここにいらしてください。本物のセイバーメトリクスをお見せしますよ。

・・・チャンスビルディングポイントもっとちゃんとせいや